五山の送り火
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京都五山の送り火は、7月に行われる祇園祭とともに京都の夏の風物詩となっています。8月16日の夜、京都盆地の東山・北山の峰々にかがり火が焚かれます。午後8時に点火される東山如意ケ嶽(大文字山)に「大」の文字が浮き上がり、その後5分おきに反時計回りに次々と点火されていきます。

松ヶ崎西山・東山には「妙法」が、西賀茂船山には「舟形」が、金閣寺大北山には「大」(左大文字)が、最後に嵯峨鳥居本曼荼羅山に「鳥居形」が点火されます。


五山の送り火はお盆の行事として各地に伝えられている「精霊送り」の一つで、8月7日から10日頃にお迎えしたご先祖様であるお精霊さん(おしょらいさん)を再び冥府に送る行事です。


この行事がいつから始まったのかはよくわかりませんが、一説によると銀閣寺をつくった8代将軍足利義政が先だった息子(9代将軍義尚)の死を悼み、送り火を始めたと言われています。


江戸時代前期には確実にこの行事は行われていましたが、明治時代には他にも「い」「一」「竹の先に鈴」「蛇」「長刀(なぎなた)」の送り火があったようです。

アジア太平洋戦争末期の1943年に、空襲に対する灯火管制のために送り火が中止されましたが、その代わりに早朝、白シャツを着た地元の小学校の児童らが「大」の人文字を如意ケ嶽に描きました。


翌年も同様なことが行われましたが、敗戦の年の1945年は児童たちが学童疎開でいなかったこともあって行われませんでした。そして翌年から再開され、現在に至っています。夏の優雅な送り火にも戦争の傷跡が残っているのです。


京都五山送り火見どころ

五山の送り火は東山から嵐山まで広範囲で行われますので、1か所で五山の送り火を見ることはなかなかできません。京都駅ビルからは見えるようですが、距離が遠いのでかなり小さくしか見えません。



それよりはどこかに絞って近くから見るほうが、送り火の雰囲気を味わえるのではないでしょうか。

【大文字】出町柳の三角州周辺、鴨川の堤防沿い、京都御苑、吉田山
【妙】北山通(ノートルダム女学院付近)、宝ヶ池教習所 
【法】高野川堤防沿い、松ヶ崎大黒天交差点付近
【船形万燈籠】北山通(北山大橋から北西)、御薗橋
【左大文字】西大路通(西院~金閣寺周辺)、平野神社、わら天神
【鳥居型】松尾橋、渡月橋、広沢の池