中国をはじめとするアジアの国々では、もうすぐ旧暦の正月、春節がやってくる。日本では旧正月というが、太陰暦を採用しているためにその日は毎年変わり、2017年は1月28日だ。
一年の始まりを盛大に祝う、重大な1日となる。中国の北方地域では、春節を迎えるにあたり大晦日に家族で餃子をつくり、年越しの際に食べる習慣がある。
昔の貨幣に似た餃子を食べることで、金運や福を呼び込むのだそうだ。
日本でもおせち料理に縁起をかつぐ食材を使うように、中国でも魚や春巻、お餅など、ひとつひとつ福々しいいわれのある料理がふるまわれる。
そもそもおせちは中国から伝わったものとされているので、そのあたりはあちらがルーツということなのかもしれない。
旧正月は新月の日とされており、この日から15日かけて月が満ちていく。なるほど、月の満ち欠けに沿った旧暦は、天体のリズムに沿う暦のせいか、新しいことを始めるのにふさわしいとされるのもなんとなく納得がいく。
では、そんな伝統を受け入れて新年をもう一度スタートさせてみるのはどうだろう? 今年の抱負などを改めて書いてみる時間を持つのもいい。
なんたって夜空にはお月様が出ていないし、冬至と立春の間だけに夜は長い。一年に一夜、暗闇を楽しむ記念日として、自分のための時間を作ってみるのもいいだろう。きっと世界中のチャイナタウンでは、爆竹が鳴り響き、それはもう騒がしい夜になるのだろうけど。
台湾では、春節の15日後の満月の日にあたる元宵節に、自身の願いを書いたランタンを飛ばすという。十分(シーフェン)で開催される平渓天灯祭では、夜空に上がっていく無数のスカイランタンの様子が見られる。
インターネットなどでもあちこちで動画が配信されているので見たことがある人もいるだろう。その幻想的な風景のなかに入ってみたい、自分の願いを空に飛ばしたい、と今や世界中から旅行客が集まるといわれている。
よし、この旧正月の新月の願いは、あとでじっくり考えるが、特別な日に心に決めた思いはきっと叶う。心に決めるということは、目的地を決め、そこに向かって歩きだすということだから。今年の旧正月、あなたは何を心に決めますか?